一般社団法人の会員制度

一般社団法人には、「一般社団法人○○協会」という名称のものが多くあります。

「協会」というからには会員の存在を前提としており、会員制度の導入を前提とした一般社団法人と考えられます。

 

ここで、一般社団法人において会員制度を導入するにあたっての注意点を申し上げます。

それは、会員を種別に分けた場合、どの種別の会員が法律上の一般社団法人の社員になるのかを明らかにすることが必要です。

会員に種別を設けず、会員全員に社員総会の議決権を持たせることも可能です。

ただし、社員総会の議決権を持った社員になるということは、その一般社団法人の運営について影響力を持ち、会員すべてが運営に影響力を持つ場合、会員数が多数にのぼる協会では運営に支障を生じる可能性もあります。

そこで、
「社員としての地位を持つ会員」「持たない会員」を明確に区別する必要が生じるわけです。

 

会員の種別

会員の種別の名称に決まりはありません。

一般には、

正会員」「準会員」「一般会員」「賛助会員

などに分けていることが多いようです。

いろいろな名称の会員を設けることは可能ですが、どの名称の会員が、法律上の社員であるかを明確にすることが必要です。

一般的には、「正会員」を法律上の社員とすることが、誤解が生じにくい設定であると思われます。

 

会員制度を明記する

「正会員」を法律上の社員とするという規定を明確にするには、定款に記載することが一般的かつ明確です。

 

会員制度について定款の記載例

会員制度の記載例

第6条 (種別)
当法人の会員は、次の2種とし、正会員をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)上の社員とする。
(1)正会員
当法人の目的に賛同して入会した個人または団体
(2)賛助会員
当法人の事業を賛助するため入会した個人または団体

社員になる方法を定める場合

第7条(入会)
当法人の社員として入会しようとする者は、当法人が別に定める入会申込書を提出するものとする。

代表理事の承認を要することとする場合

第7条(入会)
当法人の社員として入会しようとする者は、別に定めるところにより申し込み、代表理事の承認を受けなければならない。

社員になれる資格条件を定める場合

第7条(入会)
大阪府内において飲食業を営む者で、当法人の社員として入会しようとする者は、別に定めるところにより申し込み、代表理事の承認を受ければならない。

社員の資格喪失を定める場合

第9条(退会)
会員は、理事会において別に定めるところにより届け出ることにより、任意にいつでも退会することができる。
第10条(除名)
会員が次のいずれかに該当するに至ったときは、社員総会の特別決議によって当該会員を除名することができる。
(1) 本定款その他の規則に違反したとき。
(2) 当法人の名誉を傷つけ、または目的に反する行為をしたとき。
(3) その他の除名すべき正当な事由があるとき。

(会員の資格の喪失)
第11条 前2条の場合のほか、会員は、次のいずれかに該当するに至ったときは、その資格を喪失する。
(1) 会費の納入が継続して1年以上されなかったとき。
(2) 総正会員が同意したとき。
(3) 当該会員が死亡し若しくは失踪宣告を受け、または解散したとき。

(会員資格喪失に伴う権利及び義務)
第12条 会員が前3条の規定によりその資格を喪失したときは、当法人に対する会員としての権利を失い、義務を免れる。正会員については、一般法人法上の社員としての地位を失う。ただし、未履行の義務は、これを免れることはできない。
2 当法人は、会員がその資格を喪失しても、既納の入会金、会費その他の拠出金品は、これを返還しない。

 

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