監事とは

監事とは、理事の職務執行の監査及び会計監査を行い、監査報告をする機関です。

理事会に出席して、必要があるときは、意見を述べなければなりません。

株式会社における監査役のような機関です。

監事は、理事会を設置していない一般社団法人では任意の機関です。

理事会を設置する法人では、必須の機関です。

 

監事の資格

監事には,欠格事由が定められています。以下が主な欠格事由です。

  • 法人(会社等が理事になることは×)
  • 成年被後見人等
  • 刑の執行等から2年経過しない者

なお、監事には、理事の職務執行を監査する職責があります。

中立および適正を重視して、当該法人や子法人の理事等を兼ねることはできません。

 

監事の員数

監事の員数は、法律に特段の定めはありません。

1人でも複数でも構いません。

 

監事の選任の方法

社員総会の普通決議によって選任します。そして、選任された人の就任承諾が必要です。

実務では、選任決議の前に候補者が就任を承諾して、選任決議を要件として就任承諾書を提出することも多くあります。

 

監事の任期

監事の任期は、原則、選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までです。

定款または社員総会決議によって、短縮は可能です。

 

監事の退任

監事は、以下の事由で退任します。

  • 任期満了
  • 辞任
  • 解任
  • その他(死亡,破産,後見開始など)

 

監事の権限

①業務監査
②会計監査
③調査権
④その他
(監事の権限)
第九十九条 監事は、理事の職務の執行を監査する。この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3 監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。(理事への報告義務)
第百条 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。

(理事会への出席義務等)
第百一条 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
2 監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。
3 前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。

(社員総会に対する報告義務)
第百二条 監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。

(監事による理事の行為の差止め)
第百三条 監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。

(監事設置一般社団法人と理事との間の訴えにおける法人の代表)
第百四条 第七十七条第四項及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。
2 第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。
一 監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合
二 監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合